はじめての機材選び、スマートな機材選び!!
機材選びのその前に
写真を撮る上で「一番大切なのはカメラである」それは大きな誤解です。
じゃあレンズだと言われるとそれも違います。
一番大切なのは
「最高の写真を残してあげたい」という気持ちと「何をどのようにしてその写真を残すか?」という知識と経験です。
ですからその気持ちの延長線上に機材があると考えてください。
機材はいい写真を残すための道具であって、機材に写真が左右されてはいけないとゆうことです。
現在発売されている一眼レフの機種であれば、プロが使っても問題の無いものが殆どです。つまり、使用する用途によって購入することベストなのです。
言いかえれば、スポーツ写真やF1など連射機能が必要なのか、それとも人物を一日中撮り続ける為、気軽に持ち続けられるカメラが必要なのかの方向性を持って機材を選ぶことが大切だと言うことです。
自分にあった機材選び
私達プロでも機材を選ぶときは迷うモノです。
買ってみたけど意外に使わなかったり、価格に引かれて買ってみたら自分の方向性とは違ったりすることも日常です。
そんな失敗の中からアドバイスできることは
「欲しい気持ちや必要と思う気持ちを一度沈めて、その機材の欠点を探してみることです」
どんなカメラ機材にも欠点はあります、例えばメーカーのハイスペックのカメラにも欠点はあります、その一つは重さです。
写真はシャッターを押す時間よりも、持ち運ぶ時間の方がはるかに長い訳ですから、体力に自信の無い方や女性の人には向いていません。
体力に自信のある学生さんなら、重さよりも価格の方が気になってくることと思います。
ここで私が言いたいのは、欠点には個性があるということです、つまり価格が高いハイスペックカメラが万人に向いている訳では無いと言うことです。
だからこそ、必要と思う機材の欠点を探してみる事はとても重要です。
必要な機能と必要のない機能を明確にしていれば、あとは予算に合わせるだけです。
機材選び
写真を撮る機材に色々なモノがあります。
・カメラ本体
・レンズ
・ストロボ
・カメラバック
・三脚
・記録メディア(SDカード、コンパクトフラッシュなど)
・アクセサリー
最近はデジタルカメラになった事により、パソコンなども必要機材と言えるかも知れません。
これから一眼レフカメラなどワンステップ上のカメラを目指す方には、金銭的に悩む事も多いと思います。
ここでは、簡単にカメラ、レンズ、などの必要機材について考えていきたいと思っています。
ここで言うカメラとは一眼レフのカメラに限定させていただきますが、最近ではレンズの取り外しのできない一眼レフタイプのカメラ等もありますが、今回はレンズの取り外しができる一眼レフカメラについて考えていきます。
●一眼レフカメラ
価格の手ごろなモノなら5万円程度から、高級な50~80万円を超えるハイスペックのカメラは一体何が違うのでしょうか?大きく分けると下記のような感じです。
・連射性能
・高解像度
・耐久性
・操作性
細かい事は少しづつ覚えていくとして、簡単に言ってしまえば一流スポーツ選手を撮ったり、1日に600枚もの写真を撮る必要があったりする訳では無ければ、そこまでハイスペックなカメラは必要ないと言えます。
もう少し具体的に言いますと
・連射性能
シャッターを押した時の連続音は気持ちのいいものですが、本当に必要とされる撮影は限られてきます。極端な例えですが野球のバッタースイングなどは1秒もなしにスイングを終えてしまいますので、現在あるプロ仕様のカメラでも1秒に12カット程度(ミラーレスのカメラで秒50コマのカメラはありますがここでは一つの例としてお話しています)ですから本当に欲しい写真は1枚残せればいい所です。
パラパラ漫画のように写真を連続してみるとバットの先にボールが当たった次のコマの次のショットはすでに振り終わりだったりします。
つまりその一瞬の1カットの為にある性能と言えます。逆に言えば激しいスポーツなどを中心に動きの激しい被写体を撮るので無い限りはそこまで必要ない機能とも言えます。
・高解像度
高解像度つまり写りが細かく細部まで描写されていると言う事なんですが、現在発売されている一眼レフのカメラの多くは1500万画素以上のクラスであり、これは単純にA4サイズの用紙に写真を広げても奇麗に写っていることを意味しています。
(A4サイズを300dpiの解像度で印刷する場合、2520×3564=8,981,280)
これも逆を言えば、そこまで大きくプリントすることが無いのなら初級機でも十分に最高の写真が残せると言うことです。
補足:解像度については別の機会に勉強部屋の中で取り上げたいと思っていますが、センサーサイズ、レンズの描写等々写りに関係してくるものですので少しづつ理解を深めていくことをお勧めします。
・耐久性
言葉そのままが説明になってしまうかもしれませんが、写真を仕事にしていると一日に千枚の写真を撮ることは日常です。
単純計算で365日×1000枚で365,000回のシャッターを押しているわけですが、それほどの使用にも耐えられるか?であったり、仕事の現場が雨天決行のスポーツ等で屋外で撮影をする場合に水の浸入をどこまで防げるか?などどれほど厳しい状況でも使用することができるカメラかということです。
逆に言えば年間で3000枚くらいしか撮らない、雨の日に外で強行撮影が無いのであればその機能は必要無いと言えますよね。
・操作性
多くの意味を含めてここに纏めさせてもらいましたが、写真の仕事には色々な仕事があります、スポーツや報道に戦場カメラマン、アイドルを撮る仕事に七五三を撮る仕事など機材も人も様々です。
そこで私達の仕事ごとにカスタマイズしやすく、すぐに設定の変更が利くようにプロ仕様のカメラにはボタンや設定がついています。
逆に初心者向けのカメラには写すことに特化した機能が付いています。
(子供の運動会の為に新しくハイスペックなカメラを買ったけど、使いこなせないなんて話はよくありますよね)
レンズ
はじめて一眼レフのカメラのカタログなどを見られた方は驚かれるかも知れませんが、実はカメラよりレンズの方がお金がかかるんです。
よく予算の大半をカメラに使う人がいますが勿体無いですね、写真の表現はレンズで膨らむモノですから購入を考える時は一番悩んで欲しいのがレンズです。
異なる一眼レフカメラが二台あったら写真は変わりますが、異なるレンズが二本あれば写真が全く変わります。
レンズは数値だけでは表すことのできない写真を表現するといった要素を多く含みます。
●描写力
●絞り
●焦点距離
・描写力
カメラ雑誌などでよく検証されていたりしますが、見たモノを見たモノ以上に表現する力です。
レンズの良さは悪条件でこそ発揮されます、例えば逆光での撮影で全体に白いモヤみたいなモノが写ったりすることがありますが、高価なレンズでは白いモヤが少なかったり、高解像度のカメラでも細かなところまで奇麗に見えたりします。
・絞り
レンズの価格を見ていると分かりますが、絞りの数字(f5.6など)が低いほど価格は高くなります。(表記されている絞り値が開放値)
F1.2のレンズで低価格なレンズは存在しないくらい、価格に影響のある数字で逆を言えば絞りとはそれほど写真にとって魅力のあるものなのです。
詳しくは別の機会にお話しさせていただくとして、絞りとはF値と呼ばれる絞りの値が低いほどボケが強く表現され、暗い場所でも光りをたくさん取り込むことができるので価格も高くなります。
・焦点距離
この数値はmmで表現されその数値が大きいほど望遠、50mmで標準、それより少ないほど広角と言われます。一本のレンズだけでも問題無いのですが、欲張りたくなるのがこの焦点距離です。
個人的な意見としてはカメラに予算を多くかけるのではなく、多少カメラのランクを下げてもレンズに重きを置いた方が写真の表現と、技術力アップには大切だと思っています。
●ストロボ
写真をよく見せるも悪く見せるも光り次第です。
ストロボを光らせて失敗した経験は誰にでもあると思いますが、ストロボの使い方を理解することで最高の写真になることは間違いありません。
しかし、カメラやレンズ以上にストロボは写真を理解していないと使いこなすのが難しい機材でもあります。逆に言えばストロボが理解できたら自分の表現したい写真が撮れると言ってもいいと思います。
●カメラバック
●三脚
三脚の第一の目的はカメラを固定し、写真がブレ無いようにすることです。
ですからその趣旨にあっていればどんな三脚でも問題ないと言えます、しかし実際に見に行くと驚くほどの種類があります。
価格の違いは単純に二つにあります
一つは素材(カーボンなどの軽くて丈夫な素材を使っているなど)
一つは機能(左右に動くレバーが付いていたり、上下に移動させるレバーが付いていたり)です。一つあるとなにかと便利なのでお勧めです。
●メディア
カメラがデジタルになったことで、写真はデータになりました。
フィルムの代わりがメディアとなるわけですが、フィルムと違い明確に何枚撮れるといった数値はありません(カメラの解像度によっても違いますし、撮った写真によってもデータの量が異なります)ですから中々具体的な数値は出しにくいのですが、フィルムの時のように撮る度にお金がかかるわけではありませんので、少しゆとりを持ったデータ容量のモノで予算を超えない程度のものをお勧めします。(メディアは時間と共に値段が下がるか、転送速度が速くなるので、足りなくなってきたら買い足すくらいの方がいいかも知れません)
●アクセサリー
カメラの用品は色々なモノがあります。もちろんアンテナをはっておくのは大切ですが、購入して使わなかったりするのもアクセサリーです。
しかしそんな中でも購入をお勧めするモノはいくつかあります、第一にレンズのプロテクトフィルターですレンズは一度傷がついてしまったら治りませんし、写りに影響する可能性が高くなります。
カメラの保護フィルムよりも私はお勧めします。